株式会社の運営組織はどのようになっているのでしょうか。個人事業との違いはどうなっているのでしょうか。
なんとなく、株式会社というと大きな組織、オフィス街のビルなどをイメージしますが、実際どのように運営、経営することになるのかを知っておいたほうがいいでしょう。
毎年、大手企業の株主総会が開かれるとニュースや新聞に取り上げられていますので、なんとなく株主総会というのを目にしている方も多いでしょう。株投資をしている人なら、定期的に株主総会の案内が届いているのではないでしょうか。
会社は、活動の主体となってものを売ったり買ったりすることができますが、こうした会社の意思をけっていするのは会社の中の「人」です。
会社の意思を決定する「人」にはいくつか種類があって、株主、株主総会、取締役、取締役会などがあります。
株主総会は、会社の所有者である株主(会社に出資した人)の集まりで、会社に関する様々なことを決定できます。
しかし、株主が多数の場合、会社の経営方針を決めるたびに毎回集まったり、話し合ったりしていては、なかなか事業が前に進みません。
また、株主の中には会社の利益には興味があっても、経営そのものには関心のない人もいます。
そこで、基本的なことや重要なことは株主総会で決め、実際の業務については、株主が選んだ経営能力のある取締役に任せ、合理的に会社の経営ができるようになっています。
· 役員(取締役や監査役など)を選んだり、辞めさせたりする
· 役員の報酬を決める
· 会社の決算を承認したり、配当を決める
· 株式を募集して資本金を増額する募集事項を決める
· 定款を作りかえる
· 合併、会社分割などの組織再編を承認する
· 資本金を減額する
·
会社を解散したり、継続させる
など、他にもまだまだあります。
決める内容によって、定足数や表決数が決まっています。
株主は原則、一株につきひとつの議決権を持ちますが、定款で決めることで議決権を持たない株も発行することができます。
ですから、会社の中で株をより多く持っている人の意見が通りやすくなります。
取締役は、経営のプロとして株主総会で選ばれ、会社の経営を任された人です。取締役は会社に雇ってもらっているのではなく、委任されており、その形態は雇用契約ではなく委任契約です。
会社に雇われる従業員(いわゆる社員)は、労働契約によって一定時間の拘束をうけ、毎月給料が支払われます。
取締役は委任契約ですから、従業員ではないので、支払われるのは給料ではなく報酬です。
取締役は一人でも構いませんが、取締役会を設置する場合は3人以上必要です。
取締役は、他に役員と言ったり重役と言ったり、あるいは社内的に専務とか常務などといった肩書を付けられたりしますが、会社法上は「取締役」で、専務とか常務などといった肩書は登記されません。
従業員からすると、なんだか雲の上の人。大きい会社なら、基本的に現場で作業するような人ではなさそうです。
取締役は会社の業務を執行するとされています。会社は、事業目的に沿って戦略を考え、計画を練り、予算を考え、営業に関する法律行為(契約など)をしたり、材料を仕入れたり製品を販売して利益を出すように動かさなければなりません。帳簿類を作成したり、商品を管理したり、人を雇って配置を行い、監督も必要です。こういった会社の業務を決定し、執行するのが取締役です。
取締役会を設置しない会社は、各取締役が会社を代表しますが、代表取締役を決めることもできます。
取締役会を設置する会社は、取締役会で代表取締役を決めます。
監査役は会社の会計や業務の監査をします。
例えば、株主総会に提出する議案や会計書類の調査などを行います。また、取締役に事業報告を求めたりすることもあります。
取締役会設置会社では監査役を必ず入れる必要がありますが、取締役会を設置しない会社の場合で譲渡制限会社の場合、監査役を置くかどうかは自由です。
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